南アフリカにおいて1994年に始まる幼児医療無償化の効果を検証した本研究の分析より、政策をより受けた地域ほど、家計における子どもの数が有意に少なく、かつ教育水準が有意に高いという結果が得られた。具体的には、他の全ての変数の影響を考慮したうえで、政策の影響をより多く受けた地域では、あまり受けてないと推測される地域に比べて、政策のために0.5人程度子どもの数が少なくなり、0.3年程度教育水準が高くなっていることが示された。本分析における比較群は、政策の影響を全く受けていない地域ではなく、ある程度政策の恩恵を受けている地域であるので、真の政策の効果はもっと大きなものであったことは想像に難くない。
|