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2010 年度 実績報告書

青年期の解離アセスメントの精緻化と心理療法への利用可能性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21830080
研究機関久留米大学

研究代表者

舛田 亮太  久留米大学, 医学部, 助教 (30547055)

キーワード日常的解離 / 病的解離 / 解離性障害 / 日常的解離尺度
研究概要

昨年度に引き続き、青年の日常的解離と病的解離のアセスメントと心理療法への応用について、(1)質問紙調査研究(健常群・臨床群)、(2)臨床事例研究の両側面から検討した。
(1) 舛田(2008)の健常群と比較するため、臨床群としてA病院の精神科外来・病棟患者を対象に日常的解離尺度、解離性体験尺度から構成される質問紙を実施した。H23.3月地点で、総数50名の臨床群データを得た。更に臨床群のうち、知的障害、器質性精神病、てんかんを除き、かつ解離性体験尺度(DES)を20点以上を病的解離群として抽出した。結果、13人(男性2、女性11.平均27.15歳)が分析対象となった。健常群がDES平均18.25(SD11.42)であるのに対し病的解離群は平均36.65(SD19.75)と高い値を示した。次に病的解離群を診断分類に沿って、精神病群(N=3)、気分障害群(N=3)、神経症群(N=7)の3群に分け、この3群のDES総点を比較した。3群はいずれも少数ながら、(1)精神病群は健忘傾向が高く、没頭傾向が低く、解離得点全般が高い、(2)気分障害群は、感情切替傾向が低く、没頭傾向が高い、(3)不安障害群は、健忘傾向、没頭傾向が共に高いという結果を得た。
(2) 生活史健忘患者に対し、上記質問紙とロールシャッハ・テストを行った。舛田・前田(2009)と同様に解離傾向は質問紙結果に顕著に反映されなかった。しかしバウムテスト、ロールシャハテストでは解離傾向が示唆され、それらの差異を患者にフィードバックし、共有することが心理療法へとつながる可能性が検討された(2010.日本ロールシャッハ学会発表)。更に、解離性障害患者3名の心理検査と心理療法を検討したところ、治療の動機づけには、性別、仕事の多忙さや金銭面等の現実的制約だけでなく、自分の身体に合わないという「自我違和感」がまず必須であり、その後に自己への否定的意味づけがなされることが重要ではないかという仮説が提示された(2010.精神科診断学会発表)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 心理臨床の職場いろいろ 医療編1 久留米大学病院精神神経科付属カウンセリングセンター2011

    • 著者名/発表者名
      舛田亮太
    • 雑誌名

      心理臨床の広場

      巻: 6 ページ: 50

    • 査読あり
  • [学会発表] 病的解離に対する自己への意味づけと治療の動機づけ2010

    • 著者名/発表者名
      舛田亮太・前田正治・内村直尚
    • 学会等名
      日本精神科診断学会第30回大会
    • 発表場所
      九州大学医学部
    • 年月日
      20101100-20101200
  • [学会発表] 意識消失が認められた成人男性のロールシャッハ・テスト2010

    • 著者名/発表者名
      舛田亮太・前田正治
    • 学会等名
      日本ロールシャッハ学会第14回大会
    • 発表場所
      帝塚山学院大学
    • 年月日
      20101029-20101031
  • [図書] 心理測定尺度集IV堀洋道(監修)「日常的離人尺度(舛田,2006)」2011

    • 著者名/発表者名
      松井豊・宮本聡介(編)
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      サイエンス社

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公開日: 2012-07-19  

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