まず、平成21年度に行なった教師ブログに内容の分析から得た知見に基づいて執筆した論文が今年度に公刊された。平成22年度には、ブログに書かれた教師の個人的経験について継続して分析を行なった。個人的経験の表現に焦点を当てたこの分析は、教育改革の文脈でその重要性が主張されている教師の反省的実践が教師個人にとってどのような重要な意味を持ち、どのような関係の中で展開されるのか、その現状を明らかにし、本研究の中心テーマとなる分析である。研究結果については、平成22年度は国外と国内の各一箇所で学会発表を行なった。先ず、7月に開催された国際社会学会世界会議の教育社会学のリサーチコミッティにて、慢性的な疲労やストレス経験など、個人の主観的経験について書かれた教師ブログが、ブログの利用者でなく教師によって展開されていることについて、その。また、早稲田大学教師教育研究所研究部会にて、「実践力ある教師を育てる」という当研究所の研究テーマにそって、「教師ブログ」の事例を紹介しだ。参加者は研究者だけではなく、現役の学校教員もおり、参加者からは学級通信作成などの自分の執筆活動経験や、教育問題という話題のメディアの影響力などについて、積極的なコメントを出してもらった。
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