研究概要 |
まず、昨年度論文としてまとめた"Internal and External Habits and News-Driven Business Cycles"が英文査読誌であるEconomics Letters誌に受理・掲載された。 また、論文"Nominal Rigidities, News-Driven Business Cycles, and Monetary Policy"が、英文査読誌のThe B.E. Journal of Macroeconomics誌に受理・掲載された。同論文では、ニュー・ケインジアンモデルで標準的に使用されている名日価格の粘着性と名目賃金の硬直性が、将来の生産性および金融政策に関するニュースが現在の好況を生み出すメカニズムとして重要であることを発見した。 加えて、"Nominal Rigidities and News-Driven Business Cycles in a Medium-Scale DSGE Economy"という論文を執筆した。この論文では、現在マクロ経済政策分析を用いる際のwork horseとして用いられている中規模動学確率一般均衡モデル(Medium-Scale DSGE Model)のうち、日本経済の現実のデータによってパラメータ推計したものを用いて、上記の"Nominal Rigidities, News-Driven Business Cycles, and Monetary Policy"論文で理論的に発見した・名日価格の硬直性と名目賃金のうち、実証的にどちらがNews-Driven Business Cyclesに重要かを検証した。この実験から、名目賃金は景気変動の幅に影響をもたらすが、好況が起こるかどうかのメカニズムとして重要なのは、名目価格の硬直性であることが明らかになった。同論文は現在海外英文査読誌に投稿中である。
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