平成21年度は、補助金交付期間(2年間)における初年度の研究計画通り、入手済み資料のデータ入力作業と新たな資料の収集作業に従事した。まず、(1)韓国所在の各地方における民商事慣習206項目を調査した『慣習調査報告書』3点、(2)日本所在の個別的民事事項に関する慣習調査報告書綴り1束、(3)アメリカ所在の諸慣習調査報告書を一括して綴った資料1点について、資料のデータ入力作業を行った。入力に際しては調査機関別(統監府と朝鮮総督府)、時期別、全般的調査報告書と各種個別的調査報舌書の別、資料の形態別、所蔵先別、調査項目の内容別、調査目的別、調査報告者と報告受領者別に整理・区分して行った。つぎに、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校に出張し(2010年2月16~25日)、貴重本として厳しく保護されている資料を見つけることができた。調査側による資料の書き写しや撮影が禁止されていたため、予め定められた制限枚数を担当者に頼んで撮影してもらい、DVDの形で購入し、一部を入手した。また、ハワイ大学マノア校へ出張し(2010年2月25日~3月6日)、韓国学研究所と図書館を訪問して関連運資料の調査を行い、大学図書館の貴重書庫で関連資料を所蔵していることが確認できた!こちらも定められた制限枚数の範囲内で、直接撮影する形で収集した。最後に、「韓国の慣習調査事業について-個別的慣習調査報告書を中心に」(東洋法制史研究会第28回夏合宿、2009年8月18~20日、於日本大学蓼科セミナーハウス)、「梅謙次郎と植民地法制」(第23回日本近代法史研究会、2009年10月3日、於法政大学)、コメンテーター(韓国全南国立大学鄭鍾休氏「韓国法近代化における梅謙次郎の役割」について、第6回早稲田大学・全南国立大学学術シンポジウム「常国と植民地法制1」、2009年7月18日、於早稲田大学)、などの報告を行った。
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