平成22年度は、補助金交付期間(2年間)における最終年度の研究計画通り、「統監府および朝鮮総督府時代の慣習調査報告書の収集とデータの構築・整備」に従事した。[A]新たに収集した資料の分析とデータベース構築のために、(1)アメリカのカリフォルニア大学バークレー校所蔵資料について、初年度の出張で手書きとデジカメを用いた直接写しによって、一部のみ入手していた各種慣習調査報告書について、新たにその残りをマイクロフィルムの形で11点収集した。この資料は、その後日本の専門業者に委託してCD-Romの形態に変換する作業を行った。(2)同じく初年度の出張で出張期間の短さで一部のみ直接デジカメ写しで収集していた、ハワイ大学マノア校所蔵資料の残りの分についても、今年度に同大学のアルバイトを雇用して24点の資料の複写作業を、2011年2月末までに続けて収集した。[B]資料の整理・分析とデータベース化について、(1)資料を所蔵先別に二分類し、資料の形態別・調査対象の慣習項目に基づく内容別の類型化作業を行った。(2)当初の計画とおりであるならば、現時点ではすでにデータ入力および内容の分析作業・考察および研究会における考察結果の報告・執筆作業を終え、学術雑誌へ投稿を済ませているところである。しかし、研究計画の段階における予想よりはるかに多い分量の資料を収集できた点では、収穫の多かった年度であったものの、成果の公表まではもう少し時間を要するものとなった。これらの作業が済み次第、先ずは東京大学大学院法学政治学研究科基礎法研究会と、同東洋文化研究所プロジェクト研究第8班において発表する予定であることを記しておく。
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