近年、生活保護受給者が急増しているなか、生活保護制度と給付つき税額控除への関心が高まっている。本研究の目的は、生活保護行政の実施体制や保護率の地域差の検討、また新たな所得保障制度としての給付つき税額控除、最低保障年金の政策効果のシミュレーション分析を行なうことである。本研究の主な成果としては、第1に生活保護基準と課税最低限の水準の比較研究を行い、第2に保護率の変動要因を検討し、第3に給付つき税額控除、最低保障年金等の政策効果のシミュレーション。特に、子ども手当、給付つき税額控除・年金クレジットの貧困削減効果の検討や導入の際の財源を検討し、新たな所得保障制度の政策的な実現可能性についての議論を行った。
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