研究課題
平成22年度の研究は、昨年度の研究をさらに深化することを目標に、継続した研究活動を行った。まず、昨年度の研究成果を見直しながら、他の標準化を専門とする先生数名に意見を求めた。次に、インタビュー調査を行った。一つは技術規格の標準化を業界全体に推し進めようとしているEPC Global社と、深く関係している日本郵船の標準化活動の担当者にインタビューを行った。二つは、台湾においてEMS企業4社と日系企業3社、および台湾政府系調査機関にインタビューを行った。また、これらの活動によって得た人脈から、ニューヨークで行われたクローズな国際標準化会議GS1(Global Standard One)への出席を招待してもらい、コンソーシアム標準化が行われる現場を見る貴重な機会を得た。そこでは、企業間による標準規格への激論が交わされているかと考えていたが、むしろ各国のGSIメンバーが中心となって、標準を策定しようとしている意外な策定過程が見られた。これらの調査によって得られた知見は、技術規格を業界に拡大しようとする標準化戦略と、標準的な製品の大量生産によって業界を席巻しようとする意味での標準化戦略では一義的に議論できず、競争に与える影響もまた異なることが認識できた。今後の分析において考慮しなければならない大きな問題点として認識した。研究の成果については、学会報告を二回(国内1回、海外1回)行った。そして、学会報告におけるコメントや質問の内容を加味したものをまとめ、学会誌に査読付き論文として4本掲載された(国内2本、海外2本)。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)
多国籍企業研究
巻: 第3号 ページ: 1-22
アジア経営研究
巻: 第16号 ページ: 91-101
International Journal of Business Strategy
巻: Vol.10,Number 1 ページ: 16-29
International Journal of Global Business and Competitiveness
巻: Vol.5 ページ: 37-46