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2010 年度 実績報告書

架橋離島からみたコミュニティの再生産とオルタナティブ開発

研究課題

研究課題/領域番号 21830127
研究機関早稲田大学

研究代表者

五十川 飛暁  早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (00508351)

キーワードコミュニティの再生産 / オルタナティブ開発 / 縮小社会
研究概要

本研究は、コミュニティの再生産の仕組みとその論理を明らかにすることを通じて、地域社会のありうべき発展を展望することを課題にしてきた。本年は研究期間の2年目ということもあり、アウトプットとしての政策論を志向していくうえで、あらためて方法論的な立場を明確にしておく必要があると考え、まずは論文の執筆でそれを確かめておいた。これは、生活環境主義理論の方法論的な独自性とその現在的な意義について、再検討をおこなったものである。
他方、本年度も昨年度に引きつづき、事例地でのフィールドワークを主にしながら、データの蓄積を進めることができた。具体的には、信仰という文化面からは、架橋された島の共有地でおこなわれている祭礼の維持とその変化についての検討を、また、生業面からは、島の土地をめぐる貸し借りや共同労働のあり方の変化についての聞き取りを、そして、人びとの組織化という社会面については、ごく最近、現場コミュニティではこれまでの生活上の関係性をベースにした新たな自治組織をたちあげることで、架橋をめぐって押しよせるようになった巨大な変化に対応しようと試行錯誤をはじめていることに注目した。
コミュニティには伝承と革新の2側面が存在する。以上のようないくつかの角度から事例地の人びとの動きに迫ることによって分かってきたのは、現場の人びとは自身のコミュニティの再生産に際し、伝承と結びついた革新のあり方をこそ模索している、ということである。つまり、地域社会の再生産と発展を考える際には、現在のところ主流になっている人口や経済を指標にしたマクロな議論ばかりではなく、現場の人びとの目線を踏まえたところでの政策論(再生産論)も必要、ということである。フィールドでの知見をもとにした文章化は、来年度を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 生活環境主義の独自性と現在的意義2010

    • 著者名/発表者名
      五十川, 飛暁
    • 雑誌名

      人間科学研究

      巻: 第23号,第2号 ページ: 209-220

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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