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2010 年度 実績報告書

南アジア諸国の初等・中等教育制度拡充における宗教教育機関活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21830130
研究機関広島大学

研究代表者

日下部 達哉  広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 准教授 (70534072)

キーワード南アジア / 教育制度拡充 / マドラサ
研究概要

本研究では、南アジアの教育制度拡充における宗教教育機関の活用に関する調査を行った。これまでバングラデシュの政府系イスラーム神学校であるアリアマドラサは、普通学校教育と共通の修了証・学位を発行できることがわかっていた。また、非政府系のコウミマドラサは、独自の学位認定制度を持ち、その修了証・学位が、政府に認定されていないこともわかっていた。しかし、インド最大のマドラサであるデーオバンドマドラサの調査では、高等教育の学部レベルまで独自の基礎教育以外の普通教育は施さず、学部レベル修了後に、宗教学における高度なイスラーム学の専門性を身につけたうえで、イスラーム学専攻の修士課程に編入する事例が見いだされた。バングラデシュでは、80年代から現在まで、マドラサを「学校化」させたい政府と、独自性を守りたい国内のコウミマドラサ側との間で、政府認可を行うかどうかをめぐって交渉をしてきた経緯があることもわかった。これらは、今後も初等・中等教育拡充における宗教教育機関のプレゼンスが増していく傾向にあることも示唆している。
このバングラデシュとインドとの比較研究によって、南アジアには、普通教育制度と宗教教育制度との相互の弾力的運用の可能性がある、ということが解明できた。これはさらに、マドラサをはじめとする宗教教育機関が多く存在するその他の途上国でも同様に、教育制度拡充における宗教教育機関の活用が模索される可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「教育の時代」とマドラサ2011

    • 著者名/発表者名
      日下部達哉
    • 雑誌名

      南アジア研究

      巻: 22 ページ: 82-89

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Recent Developments of Teacher Profession in African and Asian Countries -From overview of Zambian Education Forum Part 2-2011

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Kusakabe
    • 雑誌名

      Africa-Asia University Dialogue for Educational Development Report of the International Experience Sharing Seminar (2)

      巻: 2 ページ: 223-236

  • [雑誌論文] バングラデシュ農村における子牛給付による奨学プログラムの比較事例研究2010

    • 著者名/発表者名
      日下部達哉
    • 雑誌名

      国際教育協力論集

      巻: 13-1 ページ: 97-105

  • [学会発表] バングラデシュ農村の構造変動と教育-メヘルプール県カラムディ村の30年2010

    • 著者名/発表者名
      日下部達哉・ラフマンモクレスール
    • 学会等名
      九州教育学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2010-12-11
  • [学会発表] Transition of Education Development-A Decade in Rural Bangladesh2010

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Kusakabe
    • 学会等名
      World Congress of Comparative Education Societies
    • 発表場所
      トルコ、ボアジチ大学
    • 年月日
      2010-06-16
  • [図書] 21世紀の教育改革と教育交流2010

    • 著者名/発表者名
      望田研吾, 竹熊尚夫, 日下部達哉, 他13名
    • 総ページ数
      294
    • 出版者
      東信堂

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公開日: 2012-07-19  

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