本研究の目的は、ヘルバルト(Herbart,J.F.)の原典および先行研究を丹念に読み込み、「教育的教授(erziehender Unterricht)」論に従来の定説とはまったく異なる解釈を施した上で、それが教育思想史研究として意味があったばかりでなく、ドイツの学校教育改革を現実に導くものだったことを証明することにあった。さらに、「教育的教授」論の新たな解釈が現実の学校教育改革までも動かすことができた理由には、「教育的教授」を試行・実験する学校改革プロジェクトの成果がそこに寄与していたことも明らかにした。
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