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2010 年度 実績報告書

国連の経済社会分野における中国の政策過程モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21830135
研究機関愛知大学

研究代表者

加治 宏基  愛知大学, 国際中国学研究センター, 研究員 (80553487)

キーワード中国外交 / 国連 / グローバル化 / WHO / UNDP / 政治学
研究概要

本研究課題は、主権超越的/脱国家的課題に対応すべく誘引された国連システムの変動を起点とする中国の国連政策転換を分析し、特徴抽出をつうじた同国の政策過程のモデル化を全体構想とする。具体的には、ポスト冷戦期から21世紀初頭にかけておきた国連での開発理念の転換を所与とする中国の国連経済社会領域における政策転換を検証し、結論的には国連経済社会領域における中国の政策過程モデルを構築した。
当年度は、国連の開発ディスコース「人間の安全保障」が、「和諧世界」として国連へとフィードバックされた過程を検証し、グローバル時代に則した「中国の国連政策」論のモデル化を試みた。先行研究でも議論されるとおり、中国政府の外交理論の根幹は、内政不干渉の原則に代表されるような国家主権を至上とするものである。しかし今日の国連外交を精査すれば、国家レベルの発展概念に非国家主体の機能的優位性が反映され、国家から社会、そして個人へという安全保障観の変容を確認できた。台湾の世界保健総会へのオブザーバー参加を承認したことは、20世紀型の国家観から21世紀型のそれへと理念転形を果たした国連の発展観を、中国が「本土化」した証左である。
中国の研究者や国連職員への聞き取り調査による裏付けを取った結果、以下の結論が確認された。国連のシステム変容と中国の政策転換との相互連関は、学術界が政府ブレインとして政策提言した帰結である。つまり、彼らは19世紀から20世紀へ、そして20世紀から21世紀への2度の世紀交替期を対比する視座から、近代国家中国を再編しようと試みる。一見すると今日、主権国家の限界ばかりが指摘されるが、中国の外交政策過程ではむしろ、主権国家を補完するために非国家主体の機能を高め、それを世界基準として再編することをグローバル化時代の中国外交モデルと策定しえた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 中国の発展観とその外交インパクト2010

    • 著者名/発表者名
      加治宏基
    • 学会等名
      日本平和学会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2010-06-19
  • [学会発表] 国連開発ディスコースの『本土化』をめぐる中国の政策過程2010

    • 著者名/発表者名
      加治宏基
    • 学会等名
      日本現代中国学会
    • 発表場所
      摂南大学大阪センター
    • 年月日
      2010-06-05

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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