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2009 年度 実績報告書

主権・セキュリティ・人種―排斥を正当化する論理と対抗的公共圏の限界と克服―

研究課題

研究課題/領域番号 21830138
研究種目

若手研究(スタートアップ)

研究機関南山大学

研究代表者

大井 由紀  南山大学, 外国語学部, 講師 (10551070)

キーワードセキュリタイゼーション / 主権 / 移民 / 国境管理 / 密入国 / シティズンシップ / 人種主義
研究概要

本年度は、19世紀後半の連邦議会の議論において「連邦の主権」と「安全」が結び付けられ、中国系移民を排斥する論理となるまでの過程を新しく収集した史料を用いて考察、それに対して移民がどのような論理で対抗運動を起こし、挫折したか考察した。この考察は、とくに2001年アメリカ同時多発テロ事件以後、移民とセキュリティが結び付けられて「問題」視される中で、人種差別や自由の制限がともすると正当化されてきている現代において、重要である。なぜなら、9.11以降の状況が特殊ではないことを明らかにし、現状を打開する上でのヒントを与えてくれるだけでなく、秩序と正義という、移民に限定されないという意味で、より広い問題を具体的に考察する一助となるからだ。
史料収集は、(1)国立国会図書館(東京)(2)National Archives and Records Administration(アメリカ・シアトル)及び(3)サンフランシスコ市立図書館などで行った。(1)では、中国系移民排斥諸法に関してまだ入手していなかった連邦議会の記録を収集して分析し、反対・賛成がそれぞれどのような論理に基づいていたのか、中国人が国家のセキュリティにかかわる問題として構成される過程(セキュリタイゼーション)で、連邦の主権がどのように構成されていったのか、まとめた。(2)では、税関の史料、移民局を収集した。いわゆる不法移民がどのような方法を使ってアメリカへ入り、それがどのように問題にされ、国境管理に対する意識が形成されたのか、分析を開始した。(3)では、San Francisco Chronicle紙やSan Francisco Morning Call紙を中心に、中国人がどのように問題として構成されていったのか、分析した。実証研究と並行して、近年出版された移民とセキュリタイゼーションに関する文献の整理を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Staging Cosmopolitanized Foreignness in Renationalizing Tokyo2009

    • 著者名/発表者名
      Ooi, Yuki, Takahashi, Kaoko
    • 学会等名
      World Social Sciences Forum
    • 発表場所
      ベルゲン(ノルウェー)
    • 年月日
      20090000
  • [図書] From Early Tang Court to Debates to China's Peaceful Rise(p.53-66)2009

    • 著者名/発表者名
      OOI, Yuki(Edited by F.Assandri, D.Martins)
    • 総ページ数
      158
    • 出版者
      Amsterdam University Press

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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