研究概要 |
急速に進展する日本社会の少子高齢化に対応する専門高校として創設された福祉系高校を研究対象として、職業と大学への接続教育に関する研究を行った。概要は以下の通りである。1.情報収集と研究課題の明確化。国内外の文献研究及び情報収集を行い、福祉系高校における介護福祉従事者養成の実際が「社会福祉士及び介護福祉士法」改正により大転換した現状を把握した。2.福祉系高校生に対するアンケート調査の分析。福祉系高校生の進路選択に関してSPSSを用いて詳細な分析を行い、(1)実習経験にみられる「福祉志向・能動」「現実直面・内省」因子が,福祉系進路(福祉就職・福祉進学)への選択行動を強化する.(2)女子・入学動機の明確な者・資格取得高校生は,何れも能動的で内省的な実習を行い,入学から卒業まで福祉系進路希望を維持する.(3)どの属性においても、進路希望変更の時期は2年実習後から3年実習前の間が最も顕著でありリアリティショックによる葛藤体験や内省行動をリフレクションによって再学習に結びつける営みの重要性が明らかになった.3.高大接続教育によるサービスラーニングの推進。高校生と大学生の協働による「ふくしの学びと仕事」DVD制作を通して高大接続による社会福祉教育としてのサービスラーニングの先駆的実践を推進した.4.海外フィールド調査及び比較研究。グローバルな研究的視点からオーストラリアにおけるデュアルクレジットシステムのフィールド調査を行い、日本の高大接続教育との比較を行った。
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