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2010 年度 実績報告書

現代生産管理会計の生成プロセスの探求

研究課題

研究課題/領域番号 21830154
研究機関甲南大学

研究代表者

新井 康平  甲南大学, マネジメント創造学部, 講師 (30550313)

キーワード管理会計 / 管理会計の採用研究 / 導入研究 / 会計的知識 / 郵送質問票調査 / スタートアップ企業
研究概要

本研究の目的は,管理会計システムが,もともとは組織に存在しないような状況で,新たに採用され,そして普及して行くプロセス及びその効果について明らかにすることを目的としていた。その結果,次の3点の重要な学術的な貢献が得られた。
1つ目は,従業員が100人に満たない小規模の工場における管理会計の生成を明らかにするための探索的なフィールドワークの結果,採用には会計の専門的知識の重要性や外部の公認会計士や税理士からの知識移転の重要性が明らかとなったことである。品質管理や納期管理の技術とは違い,管理会計・原価計算の知識はその必要性が自発的には認識されず,会計の専門的知識の存在が重要となる可能性が確認された。
また2つ目は,創業10年以内のスタートアップ企業を対象とした大規模郵送質問票調査により,企業が予算を採用する理由として,スタッフ業務の分業の進行が正の影響を,資金管理の分業の進行が逆に負の影響を与えていることも統計的に明らかになったことである。後者は,創業者が会計的知識を持っていない状況を示していると言え,フィールドワークの発見事実は予算という限られた管理会計システムについては支持されていると言える。
そして3つ目は,新しい管理会計システムの採用が組織成果に与える影響についての方法論を構築するため,経理シェアードサービスという仕組みについての採用後の影響を検証するための分析を実施したことである。ケースクロスオーバーという採用前後の比較方法を用い,単純な前後比較ではなく種々の要因を統制した上での管理会計システムの導入成果の検証方法を提示出来たといえるだろう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 経理シェアードサービスの導入成果:経験的な検証2011

    • 著者名/発表者名
      新井康平・大浦啓輔・三矢裕・岡崎路易
    • 雑誌名

      管理会計学

      巻: (受理済み未公刊 刊行予定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「実務家の視点」に基づく管理会計研究方法の展望2010

    • 著者名/発表者名
      新井康平・北田皓嗣
    • 雑誌名

      Hirao School of Management Review

      巻: 1 ページ: 1-16

  • [雑誌論文] 孤独という駆動力:「スタートアップ期の成長に創業メンバーが及ぼす影響」のコメント論文2010

    • 著者名/発表者名
      新井康平
    • 雑誌名

      Hirao School of Management Review

      巻: 1 ページ: 66-72

  • [学会発表] 経理シェアードサービスの導入成果:経験的な検証2010

    • 著者名/発表者名
      新井康平・大浦啓輔・三矢裕・岡崎路易
    • 学会等名
      日本管理会計学会2010年度全国大会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2010-09-04
  • [図書] 管理会計研究のフロンティア(第4章,第5章,第8章を分担共著)2010

    • 著者名/発表者名
      加登豊・松尾貴巳・梶原武久(編)
    • 総ページ数
      384
    • 出版者
      中央経済社

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公開日: 2012-07-19  

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