本研究は、行政学及びガバナンス論の視点から、戦後の日本の保健医療改革における所謂占領軍の公衆衛生福祉局と米国フィランソロピー、特にロックフェラー財団との協働を明らかにすることを目的としたものである。連合国司令部公文書、米国国務省文書、公衆衛生福祉局長のサムス准将の書簡の調査や米国のフィランソロピー研究者のインタビューを行った。戦後の日本の国立保健医療科学院及び聖路加国際病院の再構築において連合国司令部はロックフェラー財団の専門的知識の提供や財政的支援を受けつつ、協働してプロジェクトを行っていたことが明らかになった。
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