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本年度においては、まず「磨き屋シンジケート」について精密なフィールドワークを行った。具体的には、現在の磨き屋シンジケートの窓口となっている大口氏へのインタビューを行うとともに同氏より資料提供を受け、磨き屋シンジケートのビジネスシステムの形成経緯や、マグカップなどの完成品を手掛けるようになった背景に至るまで今日までの変化の軌跡についての分析を行った。その結果、研究目的であるビジネスシステムの形成と変遷に関する研究が進み、一部は後掲の研究成果に示すような図書を公刊している。
次に、「NCネットワーク」については、内原社長をはじめ同社の幹部数名にインタビューを行った。その結果、設立当初の検索エンジンに加え、今日までのサービスの拡充や変遷など様々な試行錯誤の経緯についての調査が進んだ。そのため、NCネットワークに関するビジネスシステムの形成や変遷に関する当初の研究計画に従った調査を行っていると言える。尚、一連の調査結果は、後掲の学会報告でも行っており、本年度においても国内外の学会で調査結果を明示する予定である。
また、研究計画をより発展させたものとして、昨今の不況に際し、自動車産業など特定の企業からの受注減という、取引仲介企業にとっては焦眉の急を要する課題に際して、「磨き屋シンジケート」および「NCネットワーク」がそれぞれどのような対応を行っているのかに関する貴重な情報を入手した。一連の対応とそれに伴う発注企業・受注企業の反応を分析することで、仲介企業と発注企業・受注企業との関係性を見るビジネスシステム論についてより深い分析を行うことができた。
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