23年度は、2回の授業分析研究会を開催し、分析カテゴリーの規定、我が国と諸外国の理科授業の分析に取り組んだ。これらの授業分析研究会では、我が国の理科・数学教師のみならず、諸外国の小学校教師や教育関係者と共に授業分析を実施し、現地の教育現場における授業分析法の有効性や課題について内発的発展の立場から考察した。 具体的には、広島大学大学院国際協力研究科で実施した第2回授業分析研究会で、我が国、ガーナ、ザンビア、ボツワナ、マラウイ等の教育研究者及び実践者からなるグループにおいて、我が国と諸外国の理科授業について生徒の応答に着目した分析を行った。また、本研究会に属する我が国の教師から日常生活との関連性に着目した実践に関する報告を受け、それらを基に分析カテゴリーに関する考察を行った。 岡山大学大学院教育学研究科における第3回授業分析研究会では、分析カテゴリーに関する考察をさらに進めると共に、JICA平成22年度国別研修「ガーナ理数科教授法改善」において本研究の授業分析法を用いた現職教員研修を実施した。我が国、ガーナ、ザンビアの理科授業について分析を行うことで、相対的な視点から自国の理科授業を反省的に考察した。また、現地における授業分析の適合化に関して、本研究会に属する我が国の教師とガーナ人教師の協同的な議論を行い、最終的に現地での実践に有効と考えられる分析カテゴリーを提案した。
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