液体を電極とした直流駆動の大気圧グロー放電を微細なヘリウムガス流を導入することで空気中で安定に生成した。液体を陰極としたとき、放電電流の増加とともに、液体表面より生じたNa原子の発光を負グロー領域で確認した。放電特性の液体の温度依存を調べるために、投入型の温度制御装置で液体の温度を変化させて実験を行った。Naの発光は液体を冷却することで弱くなり、加熱することで強くなった。直流電圧をパルス変調した際には、窒素の発光は放電開始と同時に現れるのに対して、Naの発光は放電開始時間に対して数100μs遅延が生じることを確認した。これらの結果から液体陰極の温度は放電の特性に対して重要な要素となっていることがわかる。液体電極を陽極にした際には、ある条件下で自己組織化模様が観測された。この模様は放電電流や電極間距離、ガス流量によって変化する。
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