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2010 年度 実績報告書

インドネシア多島海における海面水温の変動メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21840066
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

木田 新一郎  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, 研究員 (50543229)

キーワード海洋物理学 / 気候変動
研究概要

本年度は、インドネシア通過流・潮汐がインドネシア海の海面水温構造に与えるメカニズムについて検証した。モデルはMSSG(Multi-Scale Simulation for the Geoenvironment)の海洋モデル部分を用いており、昨年度構築したインドネシア多島海上での海面水温が季節変動する基本物理過程をより忠実に再現できる「インドネシア多島海・理想領域モデル」とその発展「現実的領域モデル」である。
(1) インドネシア通過流は、インドネシア海における夏季の海面水温に影響を持つ。特にNusa Tegarra沖の海面水温は、インドネシア通過流の影響を強く受けるため、他の領域に比べ海面水温の季節変動が小さくなっている。
(2) インドネシア通過流は、夏季にNusa Tengarra沖で起きる沿岸湧昇による海面水温の低下を大きく緩和している。その結果、インドネシア海での季節変動は夏に暖かく、冬に冷たいという変動になっている。インドネシア通過流がない場合、夏も海面水温が低下するため、半年周期の変動になるはずである。このことは衛星観測だけではなく、Hydrograaphyからも初めて確認された。
(3) インドネシア海の東側は、一年中を通してインドネシア通過流の影響をほとんど受けてない。モンスーン風によって、ほぼ決定されている。
(4) 大陸棚上の潮汐混合は海面水温に対して、強い影響を持たない。これは大陸棚上ではそもそも風によって活発な混合が起きるからであり、表層化に冷たい水もないためである。大陸棚縁では、海面水温の低下をもたらす。
(5) 海嶺上の潮汐混合は海面水温に強い影響を持つ。また潮汐混合によって冷やされた表層水はエクマン輸送によって、海域全体に拡がるため、潮汐混合の影響は、その混合域にとどまらない。また海嶺上の潮汐混合は、温度躍層に介して強い冷却効果を持つため、海面を冷やす効果が強い。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] インドネシア海における海面水温の季節変動メカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      木田新一郎
    • 学会等名
      日本海洋学会春季大会
    • 発表場所
      東京大学(誌面発表)
    • 年月日
      2011-03-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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