酸化コバルト担持金ナノ粒子を一酸化炭素および水素から成る合成ガス雰囲気下加熱処理すると、各種有機反応に利用可能な活性種が効率よく発生する。この活性種は、コバルト金属に一酸化炭素が結合したコバルトカルボニルに類似した活性を有しており、その代替試薬として利用可能である。コバルトカルボニルでは一酸化炭素の解離による失活が問題となることが多々あるが、酸化物担持金ナノ粒子の場合には反応系中で継続的に活性種が発生するため、非常に効率よく反応が進行する。この活性種を用いて、ポーソン-カーン反応、アルコキシカルボニル化、アルキンのコバルト錯体形成反応などが進行することを見出した。
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