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2010 年度 実績報告書

化合物半導体ナノワイヤ気相選択成長における積層不整の第一原理的研究と結晶構造制御

研究課題

研究課題/領域番号 21860001
研究機関北海道大学

研究代表者

古賀 裕明  北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教 (80519413)

キーワードナノ材料 / 結晶成長 / 表面再構成 / 第一原理計算 / ガリウムヒ素
研究概要

近年、ナノメートルオーダーの微細な構造をもつ物質(ナノ物質)が新たな電子デバイス・エネルギー変換材料として注目されている。本研究では、半導体ナノワイヤなど新規ナノ物質の結晶構造を制御する指針を得るため、原子レベル表面構造とナノ構造の関係を、非経験的な理論計算(第一原理全エネルギー計算)により明らかにする。今年度は、V族元素(アンチモン、ビスマス)の表面吸着を通して原子層積層欠陥を制御する可能性について、代表的な化合物半導体であるGaAsを例に調べた。まず、結晶中と同じ周期を持つ理想的な(-1-1-1)表面(1×1相)について、表面のヒ素原子をSbやBiに置換した場合、積層欠陥の入りやすさがどのように変化するのか、全エネルギー計算により調べた。その結果、As、Sb、Biの順に原子半径が大きくなるに従って、積層欠陥が入りやすくなることがわかった。特に、SbやBiでは、正常な結晶構造よりも積層欠陥が安定になるという逆転がみられた。これは、原子半径と積層欠陥の安定性との深い関連性を示しており、ナノ構造制御の観点から興味深い結果である。反対に、2×2トライマー終端構造などで吸着ヒ素をSbやBiに置換した場合、積層欠陥の安定性にはほとんど変化が見られなかった。吸着原子は結晶格子の外側に位置するので、原子の大きさからくる効果が小さくなったものと考えられる。以上の結果から、V族元素吸着が積層欠陥に与える影響は、吸着により生じる表面構造により大きく変わるので、V族元素の導入方法を詳細に検討することが、構造制御を実現する上で重要になると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Structure of GaAs(-1-1-1) under Ga-rich conditions : A √<19>×√<19> reconstruction model2010

    • 著者名/発表者名
      Koga, Hiroaki
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 82 ページ: 113301-1-4

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://hydrogen.rciqe.hokudai.ac.jp/~koga

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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