研究概要 |
本研究では,以下の2点に着目して研究を行った. (1)土に含まれる礫分・空隙が土の水分特性に及ぼす影響について 大型アクリル円筒を用いて砂分以下の土,礫分,空隙を混入した土に関する土の水分特性を計測した.実験では砂分以下の土の乾燥密度を一定とし,礫分・空隙混入による土の水分特性への影響を観察した.その結果,土の水分特性曲線の形状は砂分以下の土の乾燥密度に大きな影響を受けるが,礫分・空隙の混入の影響は小さい事,また砂分以下の土の乾燥密度が等しい場合,礫分・空隙の混入により透水速度が低下する事が明らかとなった.この事より,不飽和地盤中を水が浸透するとき,水は砂分部分を主に通過し,礫分・空隙は浸透の障害となることが示された. (2)降雨による谷埋め盛土内の水分分布の経時変化を予測するための予備解析 (1)で実施した大型アクリル円筒を用いた土の水分特性試験を模擬した2次元不飽和浸透流解析を行い,不飽和浸透流解析コードが実際の室内試験における水分分布の経時変化を再現できるかを検討した.解析メッシュは横20cm,縦220cmの領域を2×2cmの正方形メッシュで1100個のメッシュで等分割したメッシュを用いた.礫分・空隙のメッシュの位置は乱数を発生させて決定した.土質パラメータは(1)の大型アクリル円筒を用いた試験および室内試験から得られた値を用いた.解析の結果は,大型アクリル円筒を用いた試験の飽和度の経時変化を比較的良く再現できた.特に地盤内の空隙の浸透時のふるまいを再現できた成果は大きい.今後,不飽和地盤内の水分の経時変化予測を行うにあたって,大きな前進となるろう,
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