研究概要 |
<1>推進剤の非均一供給による振動低減のメカニズムの解明 推進機内部のプラズマの状態を観測するには,実験的なアプローチは幾何的形状的な制約から困難である.そこで,粒子法数値解析コードの開発を行い,内部のプラズマの状態を観測することとした. 本年度は,前年度までに開発されていた2次元の非定常数値解析コードをベースとし,これの拡張を行い,推進機内部のプラズマの様子を観測した.この結果,推進剤流量が周方向に不均一である場合,推進機内部における電子の移動度が大きくなること,これによって,放電振動の低減につながることがわかった. <2>推進効率の低下防止策の検討 開発した数値解析コード及び実験結果をもとに,推進効率の低下が何によるのかを分析した.この結果,推進効率の低下の原因は,電子の移動度の増加と壁面へのイオンの損失の2種類が存在することがわかった.このうち,電子の移動度については放電振動の低減につながるため,対処することは困難であると考えられるが,壁面へのイオンの損失については壁面材料を絶縁体に変更する等の対処で軽減可能であると考えられる.従って,今後は壁面への損失の低減を試みることとする.
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