研究概要 |
申請者らがこれまでに提案している閉ループ弾性カタパルトの突出した特長である,類似の機能を有する他の機構と比較して,回転関節と帯状柔軟物という基本要素のみで構成される圧倒的なシンプルさを最大限に生かして,ナノサイズのインパルス力を生成するロボット製作をおこなうことを目的としている. F1-ATPase,アクチンファイバ,磁気ビーズ,マイクロビーズ,磁気ピンセット,光ピンセットを利用することで約10マイクロメートルほどのマイクロマシンの製作に成功した.このマイクロマシンは,申請者らがこれまでに提案しているロボット要素と同様,インパルス力の生成のために,弾性体の飛び移り座屈を利用している.そのため,外部磁場により駆動される世界最小の飛び移り座屈を実現した.また,数値シミュレーションにより,制作したマイクロマシンが飛び移り座屈を生成することが可能な構造を有していることを確認した.この成果を利用することで,インパルス力を利用したマイクロサイズのロボットによる,マイクロサイズでの機能の提案,およびそれよりもわずかに大きなオーダの環境における機能的なロボットの実現が期待できる.
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