本研究は、ロサンゼルス、東京、大阪の事例を通して、外国人の増加による都市の再生の可能性に焦点をあて、外国人の住宅及び居住地選択と中心都市やその住宅市場との関係について分析を行った。分析結果として、外国人の流入が中心都市もしくは都市中心部の人口増加につながるかについては、都市により、またエスニック・グループによって異なることがわかった。東京都においては、外国人、特に新来外国人は、都心部(区部)に居住する傾向にあるのに対して、大阪府にといては、外国人は大阪市に居住する傾向にあるのに対して、新来外国人の場合は大阪市外に居住する傾向にあることがわかった。今回の分析では、米国で提唱された外国人の流入と既成市街地の老朽住宅市場の活性化という、新来外国人と老朽住宅市場における明確な関係性は見いだすことができなかった。
|