本研究では、σ共有結合バンドが導電性をもつ3次元ネットワーク物質に着目し、新規超伝導体の探索を行った。このような物質として着目したKB6では超伝導は観測できなかったものの、第一原理電子状態計算からは、高濃度ホールドープによって超伝導化できる可能性を指摘した。また、3次元導電性共有結合ネットワークを持つ新規化合物Ca3Co4Ge4の合成に成功し、これがCo-Ge共有結合の3次元ネットワークをもつ常磁性体であることを見出した。このほか、鉄砒化物超伝導体類似の電子構造をもつ物質として、仮想化合物MgFeGe,LiCoGeにおける超伝導の発現を予測した。
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