初年度では、S-100A11とレンチノロールの共結晶を作成し、X線結晶解析による複合体の構造決定を目指した。結晶構造解析を行うために、リコンビナントS-100A11を大量発現・精製を行った。また、レンチノロールを合成により、大量調整した。調整したS100A11とレンチノロールは完全なS100A11-wrenchnolol複合体を形成させるために、モル比でwrenchnolol過剰となるように混ぜることで複合体形成を行った。複合体の形成は、wrenchnolol-S100A11のUV吸収をモニタリングすることで行った。複合体のUV吸収波形は、レンチノロールのUV吸収波形とS100A11のUV吸収波形をそれぞれ合算することで予想した。得られたS100A11-wrenchnolol複合体は、限外ろ過を利用して緩衝液の置換(50mM Tris-HCl(pH. 7.0) containing 10mM CaCl2)を行い、最終的に2mMの濃度まで濃縮した。得られたS100A11-wrenchonolol複合体溶液は、共結晶作成条件をキットを利用してスクリーニングした。このスクリーニングにより数種類の結晶を作成することに成功した。今後、得られた結晶からCBB染色やX線結晶解析を用いてタンパク質の結晶を見出す。タンパク質の結晶を得られる条件下で、再度、結晶作成することで質の良い結晶を得て、X線結晶解析によりwrenchnolol-S100A11複合体の共結晶の構造を解く。
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