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2009 年度 実績報告書

複製フォークにおける損傷乗り越えDNA合成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21870023
研究種目

若手研究(スタートアップ)

研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

古郡 麻子  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (90546293)

キーワードDNA複製 / DNA修復 / 突然変異 / 大腸菌
研究概要

生物が細胞分裂する際、次の世代に遺伝情報を伝えるために、様々なDNAポリメラーゼが協力して染色体DNAを複製している。本研究では、DNA損傷乗り越え合成に働くDNAポリメラーゼに着目し、DNA複製の新たな仕組みを明らかにする事を目的としている。本年度の研究実施計画では、1)必要な複製関連タンパク質因子の精製、2)複製フォークにおけるポリメラーゼスイッチの生化学的解析の二点を実施する予定であった。1)に関しては、計画通り、研究遂行上最も重要な酵素であるDNAポリメラーゼPol IIIの精製を行った。タグを利用した新たな精製方法を確立し、これまで困難であったPol IIIの精製を簡便化することに成功した。またこの方法を利用し、校正機能欠損変異型Pol IIIの精製も行った。これらのPol IIIを用いて、計画の2)を実施した。まず、野生型Pol IIIと他の複製関連タンパク質因子を用いて、試験管内でDNA複製反応を行わせた。その結果、リーディング、ラギング鎖由来の複製産物が検出された事から、正常な複製フォークが再構成されている事が確認できた。そこで、この系に更に損傷乗り越え型DNAポリメラーゼであるPol IVを加えたところ、Pol III由来の長い複製産物の顕著な減少を見いだした。これは、リーディング鎖上で、Pol IIIからPol IVへのポリメラーゼの交代が起きた事を示唆している。また、Pol IVの複製産物と考えられる産物も検出された事から、複製フォークで損傷乗り越え型DNAポリメラーゼがDNA合成反応を行う可能性が示された。これまで、損傷乗り越え型DNAポリメラーゼが複製フォークで働く事は予想されてはいたが、直接の証明はなされていないため、この結果には特に注目される。以降はこの可能性の検証を行うとともに、変異型Pol IIIを用いた解析等を行う予定である。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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