1.乾燥ストレス応答性GmNAC転写因子の系統解析 ダイズ全ゲノム配列より予測された205個のダイズNAC転写因子(GmNAC)のうち、完全長ORF(Open Reading Frame)を持つ152個のGmNAC転写因子の系統解析を行った。さらにシロイヌナズナの乾燥応答性ANAC転写因子を元に、49個の乾燥応答性GmNAC転写因子を予測した。 2.定量RT-PCRによるGmNAC遺伝子の乾燥応答性の確認 上記で予測された乾燥応答性GmNAC遺伝子の乾燥応答性を確認するため、ダイズの根と地上部をもちいた定量RT-PCRを行った。既に数個のGmNAC遺伝子の乾燥応答性を確認できているが、現在もこの実験は継続中である。 3.GmNAC転写因子の転写活性測定 乾燥応答性を確認した上記のGmNAC遺伝子のうち、4個の乾燥応答性GmNAC転写因子について酵母をもちいた転写活性測定により転写活性を確認した。 4.乾燥応答性GmNAC遺伝子のシロイヌナズナ過剰発現体の作成 転写活性を確認した上記の4個のGmNAC遺伝子を恒常発現用プロモーター(35S)とストレス応答プロモーター(RD29A)に繋げて、シロイヌナズナに形質転換した。形質転換体の選抜は現在継続中である。これらの形質転換体は今後、乾燥耐性等を含めた生理学実験にもちいる予定である。 5.GmNAC転写因子の上流で働く二成分制御系(TCS)因子の探索 TCSがGmNAC転写因子の上流で働くことは広く知られている。我々はダイズのゲノム解析を行い、ダイズのTCS因子を探索した。予測されたTCS遺伝子のうちいくつかの遺伝子が乾燥応答性を示したことから、これらは乾燥応答性GmNAC転写因子の上流となる可能性があると考えられた。
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