研究課題
作年度行ったチャルメルソウ節を10種間でのゲノムワイドかつ網羅的なトランスクリプトーム比較結果と、対応する匂い成分プロファイルのデータとの間で相関解析を行い、それぞれの花香成分の放出パターンと強く相関する発現パターンを示す遺伝子を物質ごとにそれぞれ2-46遺伝子特定した。これらのうち、モノテルペンであるライラックアルデヒド(LALs)の放出パターンと相関していた13遺伝子について、その周辺配列を決定し、遺伝子アノテーションを行ったところ、この中にはチトクロムP450遺伝子やテルペノイド生合成MEP経路の起点となる遺伝子DXSなど、明らかにLALsの生合成に関与すると考えられる遺伝子群が含まれていた。特にここで得られた1遺伝子についてさらなる解析を進め、この遺伝子が正の自然淘汰を受けた痕跡である加速分子進化パターンを示し、さらにLALsを生合成できないチャルメルソウ属3種において独立に擬遺伝子化していることを突き止めた。すなわち本研究で新規に得られた遺伝子は、遺伝子配列と遺伝子発現の両面から実際にLALs生合成の鍵になる完全な新規遺伝子である可能性が高いことが示された。またこの結果を遺伝学的に確認するため、ライラックアルデヒドを放出するミカワチャルメルソウと放出しないコチャルメルソウの間の雑種F2世代を230個体作成した。またこれらの開花個体すべてから花の匂い成分プロファイルを得るための大規模匂い捕集システムを開発した。
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The Plant Journal
巻: 66 ページ: 467-479
Bulletin of the National Museum of Nature and Science.Series B, Botany
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http://www.kahaku.go.jp/research/researcher/researcher.php?d=yokuyama
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