研究概要 |
GABA合成酵素(GAD67)のプロモーターの下流にGFPを挿入し、GABA作動性ニューロンが同定可能なノックインマウスを用いて、胎仔期、新生期の麻酔薬の曝露が発達段階の中枢神経系の構築においてどのような影響を与えるかを調べることである。そして、その影響が長期間続くものであるかを麻酔薬に対する感受性・疼痛閾値の変化を個体レベルで解析し、臨床使用されている麻酔薬の分子レベルにおける安全性を評価する新規アプローチである 麻酔薬が胎児期、新生児期においてどのような影響を与えるかを明らかにするために、GAD67-GFPノックインマウスを用いて組織学的にGABA作動性ニューロンの脳各部位での分布や神経細胞の比率を求め、麻酔薬の有無で投与時期、麻酔薬の種類で比較検討する。また、その影響を成熟したマウス(12~16週齢)で麻酔薬感受性(duration of loss of righting reflex)、不安レベル(Open-field test)、協調運動(Rota-rod)、疼痛閾値(Hot plate test, Formalin test, Planter test)を用いて解析する 現在、現在、臨床使用頻度の高い麻酔薬に対し、脳神経系の構築におけるGABA作動性ニューロンの数と部位に対する影響の有無を投与時期、投与量の観点から明らかにするため、抗NeuN抗体と抗GFP抗体の二重染色を用いて細胞比率を検討している。また、行動実験におけるセボフルラン生後早期の曝露の影響をOpen-field testで検討している。
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