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2009 年度 実績報告書

システム生物学的方法論による乳癌幹細胞の自己複製と分化の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21890048
研究種目

若手研究(スタートアップ)

研究機関東京大学

研究代表者

日野原 邦彦  東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (50549467)

キーワード乳癌 / 癌幹細胞 / GSEA / NF-κB
研究概要

近年、高い腫瘍形成能を保持する癌幹細胞の存在が明らかとなってきているが、その特徴については未解明な部分が多い。そこで乳癌幹細胞に特異的な遺伝子を同定することを目的として、まずヒト乳癌細胞株から癌幹細胞画分であるCD24-/low CD44+画分と、対照群としてCD24+CD44+画分をソーティングし、マウス移植モデルにおいて癌幹細胞画分の高い腫瘍形成能を確認した。次に、両画分の遺伝子発現パターンについてcDNAマイクロアレイによる解析を行なった。GSEA(Gene set enrichment analysis)によりアレイデータを解析した結果、癌幹細胞画分ではTGF-β pathways, Ras pathways, TNF responseならびにIFN responseに関する遺伝子セットの濃縮が認められた。また、GSEA解析から得られた癌幹細胞画分で高発現している遺伝子についてqRT-PCRによるValidationを行い、VEGFA、CCL5、IL8、SDF2LならびにTLR1の癌幹細胞画分における高発現を確認した。さらに、TNF、IFNパスウェイ共通の因子であるNF-κBの活性を検討した結果、乳癌幹細胞画分では対照群と比べてNF-κBの活性化が認められた。以上より乳癌幹細胞ではNF-κB等の炎症性免疫応答関連遺伝子群が活性化していることが示唆された。癌幹細胞による腫瘍形成の新たな分子機構を明らかにするために、今後これらの遺伝子群の癌幹細胞における役割についてさらに詳細な解析を進めていく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Gene set enrichment analysis provides insight into novel signalling pathways in breast cancer stem cells2010

    • 著者名/発表者名
      Murohashi M, Hinohara K, et al.
    • 雑誌名

      British Journal of Cancer 102

      ページ: 206-212

    • 査読あり
  • [学会発表] Potential roles of NF-κB pathways in breast cancer-initiating cells2009

    • 著者名/発表者名
      日野原邦彦、室橋道子、黒田雅彦、砂川孝行、辻真吾、小林誠一郎、梅澤一夫、東條有伸、油谷浩幸、後藤典子
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] ヒト乳癌細胞株における癌幹細胞の分子シグネチャー2009

    • 著者名/発表者名
      室橋道子、日野原邦彦、黒田雅彦、砂川孝行、辻真吾、小林誠一郎、梅澤一夫、東條有伸、油谷浩幸、後藤典子
    • 学会等名
      第68回日本癌学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-10-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/system-seimei/index.htm

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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