平成21年4月に新規導入したNikon A1R高速共焦点顕微鏡システムを基盤としたin vivoイメージングへの応用に取り組んだ。顕微鏡そのものの改造、小動物用マウントなど特注品の設計と改良、麻酔器や手術用実体顕微鏡など周辺機器の整備を次々と行い、in vivoイメージングに最適化したシステムを構築した。またモデルマウスの構築、マウスを長時間安定した麻酔をかける条件、観察対象となる臓器、組織の固定方法などの条件設定を行い、in vivoイメージングにおける技術的な課題を解決した。これまでにマウスの脳、肝臓、脾臓、腎臓、皮膚、皮下腫瘍などの観察に成功している。研究成果の画像は、第51回科学技術週間第5回科学技術における「美」パネル展に出展され、またサイエンスポータルでも紹介された(http://scienceportal.jp/today/100409_art.html)。In vivo共焦点顕微鏡は細胞レベルでのin vivo観察が必要となる全ての診断、機能評価系に応用可能であり、その医学、医療全般に寄与する意義は大きい。現在はこのin vivo共焦点顕微鏡システムを活用し、ドラッグデリバリーシステムの血中安定性、標的指向性、環境応答性、遺伝子発現、細胞内メカニズムなどの各項目について検討を行っている。
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