AIDがPhl+ALLにおけるイマチニブ耐性に関与するか否かを検討するため、AIDがレトロウィルスを用いたマウスPhl+急性リンパ性白血病モデルにおいて発症する白血病細胞にAIDが発現されるか否かを検討した。具体的にはBalbcマウスオスより骨髄細胞を採取し、レトロウィルスにてbcr-ablを導入し、同系統のメスに移植した。2-3週後、移植されたマウスは白血病を発症した。解析した3匹のマウスの白血病のうち、2匹に発症したB細胞白血病細胞にAIDの発現をRT-PCRにて確認した。そこで、AIDの発現をなくした場合に、マウスPhl+急性リンパ性白血病がどのような発症変化、および薬剤耐性を示すか否かを検討する目的で、徳島大学ゲノムセンターよりAIDノックアウトマウス骨髄細胞の供与を受け、マゥスPhl+急性リンパ性白血病モデルを作成し、野生型の骨髄細胞を移植した場合との比較を行った。現在までのところ、解析数は少ないが野生型と異なる表現型を示している。今後は解析数を増やして、この表現型の確認実験を行うと共にきその発症機序を解析し、さらにはイマチニブを、腹腔内投与にて行い、AIDノックアウトマウス由来のB細胞白血病と、野生型由来のB細胞白血病において、イマチニブ耐性発症に差を認めるか否かを検討する。更には、差を認める場合、AIDの突然変異誘発作用が関与しているのか否かを含めた、イマチニブ耐性発生メカニズムに対する包括的な解析を行う。
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