研究課題
イオンチャネルの一つであり、ペースメーカーチャネルと呼ばれるHCN (Hyperpolarization-activated cyclic nucleotide modulated channel)に着目して研究をすすめてきた。本年度では、そのサブタイプの一つである、破骨細胞の酸放出部位である波状縁に局在しているHCN1とHCN4の機能を検討した。具体的には次の通りである。1、パッチクランプ法を用いて、HCNにより発生する電流(Ih)を成熟破骨細胞にて記録・解析した。HCN1欠損マウス由来の破骨細胞においても、Ihが同定された。これは、HCNの別のサブタイプ由来のものと考えられ、このサブタイプの同定を試みた。2、破骨細胞における別のサブタイプの発現様式を確認したところ、HCN4の発現が認められた。3、破骨細胞のHCN4に着目して、研究を進めた。siRNAにより、HCN4遺伝子をノックダウンすると、破骨細胞のIhが大幅に減少した。このことから、破骨細胞におけるIhはHCN1とHCN4由来のものと考えられる。以上の結果から、HCN1とHCN4について破骨細胞の膜電位調節での役割が示唆された。今後、さらにHCNの破骨細胞機能・酸放出との関係を検討する。
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