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2010 年度 実績報告書

HTRA1によるTGF-Βファミリーシグナルの伝達抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21890079
研究機関新潟大学

研究代表者

野崎 洋明  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20547567)

キーワードCARASIL / HTRA1 / TGF-β
研究概要

TGF-βファミリーであるTGF-βやBMPは前駆体として産生され,トランスゴルジネットワークでfurinによるプロセッシングを受けて成熟型になる.分泌された成熟型蛋白は細胞表面の受容体に結合し,シグナルを伝達する.セリンプロテアーゼの一種であるHTRA1はTGF-βやBMPシグナルを抑制するが,その機序は不明である.本研究では,HTRA1がTGF-βファミリーのプロセッシングを阻害することによってシグナルを抑制するという仮説を立て,検証した.まず,HTRA1とTGF-β1,BMP-2,あるいはBMP-4前駆体をHEK293T細胞に共発現させ,小胞体-ゴルジ装置間の輸送阻害剤で処理した後に,免疫染色および細胞溶解液のウェスタンブロット法によって解析した.その結果,HTRA1は小胞体内で前駆体を切断していた.また,HTRA1とTGF-β1,BMP-2,あるいはBMP-4前駆体を共発現したHEK293T細胞を小胞体関連分解の阻害剤で処理したところ,HTRA1によって切断された前駆体の断片は小胞体関連分解を受けることが明らかになった.次に,HTRA1とTGF-β1,BMP-2,あるいはBMP-4前駆体を共発現したHEK293T細胞の培養液をウェスタンブロット法によって解析したところ,HTRA1の発現によって成熟型の量は減少した.さらに,HTRA1発現HEK293T細胞と前駆体発現HEK293T細胞の混合培養を行ったところ,HTRA1の発現による成熟型の減少は認めなかった.これらの結果は,HTRA1が小胞体でTGF-βファミリーの前駆体を切断することによってfurinによる前駆体のプロセッシングを阻害し,その結果,分泌される成熟型が減少することでシグナルが抑制されることを示している.HTRA1によるTGF-βファミリー前駆体の切断は,新たなTGF-β制御機構であると考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cerebral small-vessel disease protein HTRA1 controls the amountof TGF-{beta}1 via cleavage of proTGF-{beta}1.

    • 著者名/発表者名
      Shiga A, Nozaki H, Onodera O, etal.
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: (Epub ahead of print)

    • 査読あり
  • [学会発表] HTRA1 controls BMP-2/4 signaling via cleavage of proBMP-2/4 : implication for molecular pathogenesis of hereditary cerebral small vessel disease2010

    • 著者名/発表者名
      Nozaki H
    • 学会等名
      48^<th>Annual Meeting Neuroscience 2010
    • 発表場所
      San Diego, CA, US
    • 年月日
      2010-11-14

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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