平成21年度は、学童の対象として他の事業で追跡されている小学5年生のコホート約550名に生活習慣アンケート調査、3日間の食事記録、食物摂取頻度調査票などを実施した。生活習慣アンケートには、食・運動・睡眠や自己評価度に関する質問が組み込まれた。対象者は、健康診査にて身体測定、血圧測定、血液検査を受けていたため、これらのデータを入手した。データの中の血圧値と生活習慣の関連を現在解析中である。また、3日間の食事記録、食物摂取頻度調査の栄養素分析を現在行っており、分析結果が出次第、塩分等の食事要因と血圧値との関連を解析していく予定である。 幼児の対象としては、平成18年度に当教室が幼稚園児約530名に対して行った調査のデータを分析した。この調査では、血圧測定と早朝尿の採取をするとともに、運動・睡眠・食習慣の生活習慣や児の行動情緒に関するアンケートと3日間の食事記録を実施していた。食事記録の栄養分析の結果と児の体格や血圧値との関連を分析した結果、海藻の摂取量と血圧値に負の関連を見つけ出したため、海藻摂取による降圧効果が期待できると考えられた。よって、これを学会に発表し、さらに論文にまとめ現在投稿中である。そして、海藻摂取の血圧に対する効果をさらに明らかにするために、幼児に対する海藻摂取による介入研究の計画を起案した。平成22年度には、同幼稚園の年中児約100名を対象に本研究が実施できるように準備をしている。
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