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2009 年度 実績報告書

脂肪滴構造と形成メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 21890095
研究種目

若手研究(スタートアップ)

研究機関名古屋大学

研究代表者

尾里 納美  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, COE特任助教 (60547454)

キーワード脂防滴 / 凍結割断レプリカ法 / ADRP / (位相差)電子顕微鏡
研究概要

本研究では,脂肪滴の内部構造を明らかにするため,以下の実験を行った.(1)培養細胞から精製した脂肪滴をそのままグリッドに載せ,ウエスタンブロットで脂肪滴画分を認識できる抗体でラベルした.それらのグリッドをメチルセルロースで封入した後,電子顕微鏡で観察した.ラベルは抗体によって精製脂肪滴に特異的に分布するものと,非特異的に分布するものがあった.次に,精製脂肪滴をトリプシンで処理したときの,分布様式の変化を調べた.精製脂肪滴上に特異的に分布するADRPのラベルは,トリプシンの濃度依存的に減り,ウエスタンブロットにおける精製脂肪滴画分でも同様の結果を示した.(2)脂質エステル(トリグリセリド,コレステロールエステル)と様々な燐脂質を混合して人工脂肪滴を作製し,メチルセルロース封入法,凍結割断レプリカ電顕などで形状を確認した.人工脂肪滴は球状の形態を示し、培養細胞からの精製脂肪滴と大きな違いが見られなかった.(3)培養細胞からの精製脂肪滴にはADRPが存在する事がわかっているので,人工脂肪滴にもADRPが特異的に結合する事を期待し,リコンビナントADRP,対照としてGSTの分子と脂質エステル(トリグリセリド,コレステロールエステル)を混合して人工脂肪滴を作製した.作製した人工脂肪滴を(1)と同様に抗ADRP,抗GST抗体でラベルし,電子顕微鏡で観察した.作製した人工脂肪滴には,ADRPだけでなくGSTも外周に分布していた.また,この結合は,トリプシンの濃度依存的に消失した.(4)人工脂肪滴が培養細胞からの精製脂肪滴との形状と,それぞれの脂肪滴の詳細な内部構造を調べるために,自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンターの永山教授のご協力を得て,それぞれの脂肪滴を位相差電子顕微鏡で観察した.位相差電子顕微鏡での観察では,人工脂肪滴は精製脂肪滴と異なり、多重膜構造を形成する事などがわかった.

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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