離島に居住する独居高齢者は、猛暑や台風という厳しい自然環境下での生活を受容し、海上にある島嶼性故に家族と離れざるを得ない境遇にありながらも、継続して働き続けることを誇りにしていた。また祖先崇拝をはじめ、自らに適した様々な土着信仰を信心することで自らを慰めて心のより所を得ていた。そして、シマ社会という地縁・血縁を基盤とした相互扶助ネットワークを用いながら、しがらみを見極めた交際を巧みに行っていた。また、男性後期高齢者の"生活の術"は、祖先崇拝による精神的基盤、出来る限り頼りたくない思いと自尊心であることが明らかになった。
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