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2009 年度 実績報告書

多相性リン酸カルシウムの象牙質形成促進能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21890134
研究種目

若手研究(スタートアップ)

研究機関大阪大学

研究代表者

騎馬 和歌子  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員(専修歯科医) (10523087)

キーワードリン酸カルシウム / 覆髄 / ハイドロキシアパタイト / 象牙芽細胞 / 硬組織誘導
研究概要

本年度は、作製した多相性リン酸カルシウム(Poly-CaP)試料の相構成とCa溶出挙動の解析、ならびに象牙芽細胞様細胞に対する効果の評価を行った。
1)直径9mm、厚さ2mmの緻密性HApディスクを、真空環境下で1350℃にて10時間加熱処理した試料について、表層から1000μmの深さまでの組成をX線回折法により分析した。その結果、本試料は、表層から50μmまでがα-TCPとTTCPのみで構成され、100μm以上の深さからHAp相が出現することが明らかとなった。また、同様にして作製したPoly-CaP試料をリン酸緩衝溶液または酢酸緩衝溶液に浸漬し、表而からのCa溶出濃度をICP法により経時的に測定した結果、中性と酸性いずれの環境下においても,Poly-CaPからはコントロールである非加熱HApよりも有意に高い濃度のCaが持統的に溶出することが分かった。
2)Poly-CaP試料上に分化誘導培地を用いて調整したマウス象牙芽細胞様細胞MDPC-23を播種し、1または3日間培養後、MTTアッセイにより細胞の増殖を評価するとともに、1,3,7,14日間培養後にALP活性の測定を行った。その結果、Poly-CaPでは、非加熱HApと比較して有意に多くの細胞付着が生じ、また、培養期間を通して、細胞のALP活性も有意に高いことが分かった。一方、分化マーカーの発現の検索については、total RNAの回収とリアルタイムPCRの条件設定までが完了し、現在、Poly-CaP試料上でMDPC-23細胞を培養した場合のDSPP mRNAの発現を中心に検討を行っているところである。
これらの結果より、Poly-CaPでは、その表層を占める可溶性リン酸カルシウム相が溶解してCaが溶出することにより、象牙芽細胞様細胞の付着と分化能が促進される可能性が示された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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