研究概要 |
CD40活性化B細胞(CD40-B)は、樹状細胞に匹敵する抗原提示能を有し、かつ少量の血液より増幅し樹立可能であるため、小児や血球減少を伴なう患者など多量の血液採取が難しい人からも十分量の抗原提示細胞を得ることが可能であり、腫瘍免疫などの細胞療法において有用である。 平成21年度の本研究計画では、1)CD40-B細胞への抗原遺伝子(mRNA)の導入による抗原提示の検討および2) CD40-B細胞への抗原蛋白添加による抗原提示の検討を予定した。1) の抗原遺伝子IVT-mRNAのCD40活性化B細胞への導入に関して、ドイツ・マインツ大学Dr. Sahinより供与されたpSTIベクターにEGFP遺伝子を組み込んだものを使用し、In vitro transcription法にて作成したmRNAの導入条件を検討した。250, 350, 450Vおよび250,350,450・s, Square waveの各組み合わせにて導入効率、CD40-B細胞生存率を検討した結果、いずれの条件でもEGFP発現はほぼ100%と良好であったが、発現強度および細胞に対する毒性を考慮し、350V,350・・sの条件が最適と判断した。現在、pSTIにCMV-pp65、Cyclin D1、CD133、alpha B-crystellinの各cDNAを組み込んだベクターを作成終了し、遺伝子導入実験を行っている。 また、2) cD40-B細胞への抗原蛋白添加による抗原提示の検討に関しては、CMV-pp65の組み換え蛋白をE. coliに発現させ、Ni-NTAカラムにて純化することで作成した。CD40-B細胞にCMV-pp65組み換え蛋白を添加し、Chloroquine, protease inhibitorなど抗原提示各段階の阻害剤を使用し、抗原特異的CD4-T細胞による認識の変化を確認した。 比較を行っている。
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