我々はこれまで、肝類洞内皮細胞が抗原特異的な免疫寛容誘導能を持つ事を示してきた。本研究では実際にマウスモデルを用いて肝類洞内皮細胞を移入し免疫寛容誘導し得るかを検討した。免疫不全マウスに同種類洞内皮細胞移入し、キメラ肝を構築した。生着したキメラ内皮はPD-L1を強く表出しており、免疫再構築後、キメラ内皮が誘導できた個体では、T細胞の応答抑制を認めた。さらに同種心移植を行ったキメラ肝マウスではグラフト心生着がドナー特異的に有意に延長した。これより、アロ類洞内皮移入により移植臓器に対する免疫寛容誘導は可能であることが明らかとなった。
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