研究概要 |
これまでの研究で,アフリカツメカエル胚再集合培養糸において,アクチビンA処理群とアクチビンA未処理群の混合比率が1:5の再集合体からは顎顔面領域の軟骨組織が誘導され,1:1の再集合体からは後方の脊索が誘導される事が明らかとなっている。そこで,アフリカツメガエル再集合培養系にて,混合比率が1:5の再集合体と1:1の再集合体を作成し,アフリカツメガエル特異的DNAマイクロアレイ法を用い,両者を比較した。 具体的には,Ca及びMgを含まないスタインバーグ氏液中でアニマルキャップ(AC)を解離,分散させ,アクチビンAで25ng/mlで1時間処理したアクチビンA処理群と,アクチビンA未処理のまま1時間静置したアクチビンA未処理群を,1:5或いは1:1の比率で混合する事により,1:5再集合体および1:1再集合体を形成した。培養1日目の各再集合体から全RNAを抽出し,ツメガエル特異的DNAマイクロアレイ法にて,頭部組織より後方の脊索を誘導する1:1再集合体と比較して,顎顔面領域の軟骨組織を誘導する1:5再集合体で高発現する遺伝子群を明らかにする事により,頭部形成に関与する遺伝子の探索を行ったその結果,検索した8000個の遺伝子のうち,51個の遺伝子が,1:5再集合体において,1:1再集合体と比較して1.5倍以上の上昇を認めた。上昇した51個の遺伝子のうち,神経堤形成に関与する遺伝子として,AP-2,PDGFRA,tiarin,Msxl,EDNRA,xsna,snail,twist並びにSox10の9個の遺伝子が含まれていた。今後は,この上昇した遺伝子群について,さらに詳細な検討を進めていく。
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