<目的>本邦における乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率は、厚生労働省の知識普及キャンペーン開始以降年々減少し、2008年は出生10万対14.0と、10年間で半減した。一方、北海道のSIDS発症率はキャンペーン開始後も減少せず、2008年は同36.5と全国平均の2倍以上と高率である。そのため本研究は、「北海道においてはSIDS予防知識が普及していない」という仮説のもと、生後1ヶ月児をもつ母親のSIDSに対する知識とその関連要因を調査し、今後の知識の普及によるSIDSの減少に寄与することを目的とした。<対象及び方法>北海道内の50施設に研究依頼をし、32施設で研究実施の承諾を得た。研究対象施設にて生後1ヵ月健診を受診した母親に質問紙を配布、郵送にて回収をした。配布期間は2009年11月10日~2010年3月31日である。質問紙は研究者が独自に作成したものを用いた。質問項目は疾患の知識、厚生労働省の「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間」の知識、実際の育児行動(児の就寝体位、栄養方法、同居家族の喫煙)、育児情報の情報源及び属性である。<2010年3月末日現在の結果>質問紙配布数は4071、回収数は1466であり、現時点での回収率36.0%である。なお回収は4月以降も続いており、最終的な回収数は1600(回収率は40%)以上を見込んでいる。なお、回収された質問紙は順次PCへのデータ入力を行っている。<次年度の計画>質問紙の回収が終了次第、単純集計及び統計学的分析を行い考察する。また、研究成果について学会での発表および報告書の作成を行う予定である。
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