研究概要 |
〈研究目的〉 我が国の一般の急性期病院での実用可能な人員配置システムモデルの概念を構築し、1つの病院で試用し検討する 〈研究実施計画〉 対象病院:杏林大学医学部付属病院、横浜市立市民病院/対象病棟:外科系、内科系、混合 データ収集期間:平成22年度10月の1か月間 データ収集項目:患者側:DPCコード、看護必要度、看護職員側:ラダーレベル、看護師の勤務状況 1.患者分類 (1)DPCコード:a:ICD疾患名(以下20疾患を抽出)、b:手術有、無のコードによる看護必要度得点の平均値を算出し、入院を0日とした看護必要度得点の経過を確認した。 〈対象疾患:例:系統2:新生物、胃の悪性疾患、肝・肝内胆管の悪性腫瘍、口腔・下顎・口唇の悪性腫瘍、食道の悪性腫瘍、腎の悪性臆瘍、前立腺の悪性腫瘍、系統6:神経系の疾患:パーキンソン病、脳腫瘍、てんかん、等〉 2.看護職員の人的資源 (1)看護師のラダーレベルを1~5段階とし、看護力ポイントとして、1日の看護力ポイントを算出 (2)曜日ごと、1か月毎の看護力ポイントを明確にした。 3.患者側要素と看護師側要素をマッチングする適正水準の明確化 病棟別(内科:消化器内科、循環器内科、精神神経科、外科:消化器一般外科等)で1か月間、曜日ごとの各病棟単位での看護必要度A,Bの平均点の経過、および看護力ポイントの推移、科別における傾向を確認した。脳神経系病棟では、看護必要度A,B平均得点が高く、内科系ではB得点が高かった。病棟単位、曜日で看護力ポイントの差があった。科別を超えた適正水準を決定することは、今後の課題となったが、DPCコードによって看護必要度の経過がパターン化され、予測できる人員配置システムが構築される可能性が示唆された。
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