【背景と目的】精神障害者の就労環境は厳しく、挫折体験を持つ当事者は多い(2009年中戸川他)。一方精神障害者の就労に関する家族の想いを調査した研究は少ない。そこで精神障害者の就労に関する家族の想いを調査し看護援助への示唆を得たいと考えた。 【方法】家族会メンバーを対象とした参加観察とインタビューによる質的研究。 データ収集期間:2009年12月~2010年6月。研究参加者:父母3名。 【結果・結論】研究参加者は、「一人前になって欲しい」という親心から、働くことに向き合えない子どもに腹立たしさ・焦りを感じていた。しかし子どもにも働きたいという想いがあり「子どもなりの活動と挫折の繰り返し」を体験していたことを知り、「親として就労より生活維持を優先してほしい」という想いに変わっていった。このような就労への期待とそれを阻む問題・諦めざるをえない葛藤状況への想いを充分に受け止めた情緒的な支援の必要性が示唆された。
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