食品に含まれているフラボノイドの中には、癌予防効果が期待されているものが存在する。本研究では、代表的な4 種のフラボノイドに結合する蛋白を、ナノ磁性ビーズと質量分析計を用いて同定した。それらの結合蛋白の中には、癌細胞の増殖に関与する蛋白が見受けられた。さらに、アピゲニン結合蛋白ABP1が、癌細胞の細胞周期をG2期で制御する蛋白であることを見出し、アピゲニンがABP1を阻害することで、癌細胞の増殖を抑制していることが明らかになった。本研究成果は、フラボノイドによる癌の増殖抑制を直接の標的蛋白から説明しうる初めての発見である。
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