本研究の目的は、中堅期にある保健師の事業化能力を強化するための、教育プログラムを開発・検証することである。この目的達成のため、平成21年度は、教育プログラム開発ワーキング会議の立ち上げとプログラム試案の作成を行った。 1. ワーキング会議の立ち上げ:実践の場において活用可能な教育プログラムを開発することを目的に、実践者と大学教員の両者で構成されるワーキング会議を立ち上げた。会議メンバーの構成は、実践者3名(県保健師、特別区保健師、市保健師、各1名)、大学教員2名(内研究代表者含む)であった。 2. 試案の作成:以下(1)から(3)を通じて、教育プログラム試案を作成した。 (1) 文献検討と資料収集 (2) ワーキング会議の開催;第1回会議において、教育プログラムの目標設定、構成について検討した(12月)。第2回会議では、教育プログラムの内容、実施方法について検討した(2月)。 (3) 有識者からの意見・助言の拝受と先進的取り組みの視察;保健師の現任教育に関する国内の有識者から、プログラム試案に対する助言を受けた(2月~3月)。また、先進的な取り組みをしている富山県庁への、視察・意見交換を実施した(3月)。 作成した教育プログラムは、半年間4回の学習会とその間の実践・個別学習支援で構成されている。教育プログラムの目標は、中堅期保健師が、実践の場において事業化を推進していく能力を強化すると共に、実践活動への達成感と自信を得ることある。保健師は、この教育プログラムを通じて、事業化を推進する上での自身の課題を明確にし、その解決に向けた実践を行う。また、研究者は保健師の取り組みの過程を共に歩み、それを支援するアクションリサーチを展開する。なお、平成22年度は、この教育プログラムに試行・検証を実施する。
|