研究概要 |
本研究の目的は、中堅期にある保健師の事業化能力を強化するための、教育プログラムを開発・検証することである。この目的達成のため、平成21年度は、教育プログラム開発ワーキング会議の立ち上げ、プログラム案を作成した。平成22年度は、この教育プログラム案を試行し、検証した。 1. 教育プログラムの試行(4月~12月) (1) 対象選定:保健師経験年数が6年以上15年未満で、管理業務に従事していない者を対象条件とし、8名に教育プログラムの案内文書を郵送した。内、プログラム参加による研究協力に同意が得られた5名を、試行対象とした。 (2) プログラムの試行:プログラムは、2ヶ月に1回、、計4回の集合学習会と、その間の保健師活動とで構成される、半年間の実践型プログラムであった。集合学習会の間の実践期間には,対象者への個別学習支援を行った。試行期間中、研究者が所属する研究会において、有識者からのスーパーバイズを受けた。 2. 分析,プログラムの検証(1月):対象者の変化の評価は、保健師の事業化能力評価尺度(CMC)、対象者の発言内容(録音し逐語録に起こしたもの)、ワークシートへの記述内容を基に行った。プログラムに最後まで参加した4名のCMC得点は、プログラム実施前後で上昇していた。また、参加者は、所属における自身の役割が明確化し、次年度に事業化すべき課題を検討するに至っていた。本教育プログラムは、中堅期保健師の事業化能力向上に寄与していたものの、参加者の職場内での合意形成、プログラム終了後のフォローアップなどの課題があった。試行経験と検証結果をもとに、プログラムの改善点を検討するとともに、教育者用ガイドを作成した。今後、普及啓発を図る。 3. 成果公表の準備(3月):研究成果を学会発表・,論文投稿するための、準備をした。今後、学会発表3件、論文投稿2件を予定している。
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